日射熱取得率(η値)の見方。夏と冬で逆になる指標

窓の性能表示には、熱の逃げにくさを表すUw値のほかに「日射熱取得率」という指標があります。太陽の熱をどれだけ室内に取り込むかを表す数値で、夏と冬で望ましい方向が逆になるのが難しい点です。この記事では、日射熱取得率の見方と、内窓を選ぶときにどう使うかを解説します。
日射熱取得率とは:太陽の熱がどれだけ入るか
国土交通省の資料では、日射熱取得率は「日射熱が室内側に入る割合で、小さいほど日射を遮ります」と説明されています(出典: 国土交通省「省エネ性能向上のための 窓の性能表示制度」)。
ギリシャ文字のη(イータ)で表され、窓全体の値は「ηw値」と書かれることもあります。0に近いほど日射が入りにくいという読み方です。
熱貫流率(Uw値)が「熱の伝わりにくさ」を表すのに対し、日射熱取得率は「太陽の光そのものが持つ熱の入りやすさ」を表します。別の性能なので、片方が良ければもう片方も良い、という関係ではありません。Uw値については窓の断熱性能の見方をご覧ください。
表示は3段階(N-1〜N-3)
窓の性能表示制度では、日射熱取得率が3つの区分で表示されます。
| 区分 | 日射熱取得率 |
|---|---|
| N-1 | 50%超 |
| N-2 | 35%超 50%以下 |
| N-3 | 35%以下 |
出典は上記と同じ国土交通省の資料です。N-3 がもっとも日射を遮る区分になります。断熱性能の★6段階とは別の表示なので、混同しないようご注意ください。
⚠ 夏と冬で望ましい方向が逆になる
ここが日射熱取得率のいちばん扱いにくい点です。
- 夏 — 日射が入ると室温が上がるため、入らないほう(数値が小さいほう)が有利
- 冬 — 日射で部屋が暖まるため、入るほう(数値が大きいほう)が有利
つまり、日射熱取得率には「これが正解」という値がありません。その窓の向きと、住まいの地域で決まります。
なお国土交通省は、窓を選ぶ順序について断熱性能でまず判断し、次いで日射熱取得率という考え方を示しています。地域区分とあわせた選び方は寒冷地・温暖地で内窓の考え方は変わる?で解説しています。
内窓のガラス選びとの関係
内窓のガラスでこの指標に直結するのが、Low-E複層ガラスの遮熱タイプと断熱タイプの違いです。
| タイプ | 向いている窓 |
|---|---|
| 遮熱タイプ | 西日の強い窓、夏の暑さが悩みの窓 |
| 断熱タイプ | 南向きなど、冬の日差しを取り込みたい窓 |
ガラスの種類ごとの違いは内窓のガラスはどれを選ぶ?、夏の日射対策は内窓は夏の暑さに効く?をご覧ください。
⚠ 選択できるガラスの仕様は商品と窓の状況によって変わります。当社で選択できる仕様はお問い合わせください。
実務での使いどころ
内窓を検討する場面で、日射熱取得率の数値そのものを読む機会は多くありません。補助金の判定に使われるのは熱貫流率(Uw値)で、日射熱取得率は判定に含まれないためです(2026年度の内窓の補助金)。
実際に効いてくるのは、「その窓に遮熱タイプを入れるか、断熱タイプを入れるか」という選択の場面です。窓の向きと悩みの季節をお伝えいただければ、仕様のご提案ができます。
内窓リフォームネットの内窓は、引違い窓2枚建の通常仕様で45,200円〜(工事費・税込、2026年9月時点)です。商品は内窓の商品一覧をご覧ください。
よくある質問
ηw値とηg値は違うものですか
末尾の文字が示す部位が違います。w は窓全体、g はガラス単体です。熱貫流率の Uw と Ug と同じ関係で、詳しくはUg値とUw値の違いをご覧ください。
内窓を付けると日射熱取得率は変わりますか
ガラスが1組増えるため、窓全体として日射が入りにくくなる方向に働きます。ただし二重窓としての数値が公表されているわけではないため、具体的な値をお示しすることはできません。
遮熱タイプにすると部屋は暗くなりますか
日射熱取得率は熱の割合を表す指標で、明るさ(可視光の透過)とは別の指標です。ただし製品によっては見え方が変わることもあるため、気になる場合はお問い合わせください。
南向きの窓は断熱タイプにすべきですか
一律には決まりません。冬の日差しを取り込みたいか、夏の暑さを避けたいか、どちらの悩みが大きいかで変わります。地域による違いは寒冷地・温暖地で内窓の考え方は変わる?をご覧ください。