窓の断熱性能の見方。Uw値(熱貫流率)と★マーク、内窓での変化

窓のカタログや補助金の資料には「Uw1.5以下」「★4つ」といった表記が出てきます。いずれも窓の断熱性能を表すものですが、指標の意味を知っておくと比較がしやすくなります。この記事では、Uw値(熱貫流率)の読み方と、内窓を付けたときに数値がどう変わるのかを解説します。
窓の断熱性能は「熱貫流率」で表す
熱貫流率とは、窓や壁などの両側の温度差が1℃のとき、1㎡・1時間あたりに伝わる熱量のことです。この値が小さいほど熱が伝わりにくいことを意味します(出典: 国土交通省「省エネ性能向上のための 窓の性能表示制度」)。
単位はW/㎡K(ワット毎平方メートル毎ケルビン)です。窓全体の値を指す場合は「Uw」(w は window)と書かれます。
大切なのは、数値が大きいほど熱が出入りしやすいという点です。断熱性能の高さと数値の大小が逆になるため、比較のときに読み違えやすいところです。
また、窓の断熱性能は「サッシとガラスの組合せで決まります」と同資料は説明しています。ガラスだけ、枠だけを見ても性能は判断できません。枠の材質による違いは内窓の枠はなぜ樹脂?で解説しています。
★マークと等級の対応
窓の性能表示制度では、断熱性能を6つの★マークで表示します。★が多いほど断熱性能が高いことを表します。JIS等級と熱貫流率の対応は次のとおりです。
| JIS等級 | 熱貫流率(W/㎡K) |
|---|---|
| H-8 | 1.1 |
| H-7 | 1.5 |
| H-6 | 1.9 |
| H-5 | 2.3 |
| H-4 | 2.9 |
| H-3 | 3.5 |
| H-2 | 4.1 |
| H-1 | 4.7 |
出典は上記の国土交通省資料です。同資料では、樹脂製サッシ・アルミ樹脂複合製サッシ・アルミ製サッシと、ガラスの種類の組み合わせごとに、どの等級に該当するかが示されています。
この制度は窓そのものの性能を表示する国の制度で、住宅の断熱等性能等級(住宅全体の断熱性能を表すもの)とは別のものです。
もうひとつの指標「日射熱取得率」
窓には、熱を逃がしにくくする働きのほかに、太陽の熱をどれだけ室内に取り入れるかという性質もあります。これを表すのが日射熱取得率です。
| JIS等級 | 日射熱取得率 |
|---|---|
| N-3 | 35%以下 |
| N-2 | 35%超50%以下 |
| N-1 | 50%超 |
日射熱取得率は「日射熱が室内側に入る割合で、小さいほど日射を遮ります」と説明されています(出典は同資料)。
同資料では、日射熱の取得に適した窓は冬の室内を暖めるのに効果的である一方で夏は室温が上昇すること、日射熱の遮蔽に適した窓は夏に有効である一方で冬の日射も遮ることが示されています。どちらが優れているという指標ではなく、地域と窓の方位で選び方が変わります。
夏の日射対策の考え方は内窓は夏の暑さに効く?で解説しています。
内窓を付けると数値はどこまで変わるか
既存の窓の内側に内窓を足した状態(二重窓)の熱貫流率について、日本サッシ協会が代表的な仕様ごとの早見表を公表しています。
| 既存の窓(外窓) | 内窓なし | 樹脂内窓(複層ガラス) |
|---|---|---|
| 金属製サッシ+単板ガラス | 6.51 | 2.26 |
| 金属製サッシ+複層ガラス | 4.65 | 1.99 |
| 金属製サッシ+複層ガラス(中空層8mm以上) | 4.07 | 1.87 |
単位はW/㎡K。出典は日本サッシ協会「二重窓の熱貫流率について」です。同資料の早見表は代表的な構造を抜粋したもので、簡易的な評価による値とされています。
もっとも熱を通しやすい「アルミサッシ+単板ガラス」の状態から内窓を足すと、数値が大きく下がることが読み取れます。ただし実際の値は製品の仕様や窓のサイズによって変わります。この表は住まいの窓の性能を保証するものではありません。効果の全体像は内窓の効果は本当にある?、遮音の指標は窓の遮音性能の見方で扱っています。
補助金のグレードは「内窓そのものの性能」で見る
ここは混同しやすいところです。
先進的窓リノベ2026事業の内窓設置では、補助額が窓の断熱性能(グレード)とサイズの組み合わせで決まります。グレードはP(SS)がUw1.1以下、SがUw1.5以下です。
この判定に使われるのは、事業に登録された内窓製品ごとの性能値です。上で紹介した「二重窓全体の熱貫流率」とは別の考え方になります。二重窓の早見表の数値をそのまま補助金のグレードに当てはめることはできません。
補助額の一覧と要件は2026年度の内窓の補助金にまとめています。制度の内容は変わることがあるため、最新の情報は必ず先進的窓リノベ2026事業の公式サイトでご確認ください。
数値を実際の判断にどう使うか
- 今の窓がどの状態かを把握する — アルミサッシ+単板ガラスであれば、改善の幅は大きくなります
- 数値は小さいほど熱を通しにくい — 大小が逆であることを押さえておけば、カタログの読み違いを防げます
- 数値だけで決めない — 音の悩みであればガラスの選び方が変わります。目的を先に決めるほうが選びやすくなります
- 補助金を使うなら、対象製品かどうかを事業者に確認する — 性能値は製品ごとに登録されています
ガラスの選び方は内窓のガラスはどれを選ぶ?、商品と価格は商品一覧でご確認ください。窓の状態は無料の現場調査で確認しています。
よくある質問
自分の家の窓のUw値は調べられますか
新しい住宅であれば、住宅の性能に関する書類やサッシのカタログで確認できることがあります。古い窓の場合は資料が残っていないことも多いため、サッシの材質(アルミか樹脂か)とガラスの枚数から、おおよその位置づけを把握する方法が現実的です。
★の数が多い窓ほど、内窓の効果も大きいのですか
逆になります。今の窓の断熱性能が低いほど、内窓を足したときの変化は大きくなります。すでに断熱性能の高い窓が入っている場合、内窓による変化は小さくなります。
Uw値とU値は違うものですか
U値は熱貫流率全般を指す言い方で、どの部位のものかを示すために添え字が付きます。Uwは窓全体、Ugはガラス部分、Ufは枠部分を指します。カタログでガラスだけの数値が示されている場合、窓全体の性能とは異なります。
断熱性能が高いと、光熱費はどのくらい変わりますか
住まいの状況によって変わるため、一律には示せません。国土交通省の資料では、住宅の断熱等級ごとの年間暖房エネルギー消費量の試算が示されており、等級4を100としたとき等級5が69、等級6が47、等級7が29とされています(6地域・木造2階建て約120㎡・エアコン暖房〈居室のみ〉の条件)。これは住宅全体の断熱等級の比較であり、窓だけを替えた場合の削減率ではありません。窓と光熱費の関係は内窓で電気代は下がる?をご覧ください。
内窓を付けると住宅の断熱等級は上がりますか
住宅の断熱等性能等級は、窓だけでなく壁・床・天井なども含めた住宅全体で評価されます。窓の性能が上がることは有利に働きますが、等級が上がるかどうかは住宅全体の計算によります。評価が必要な場合は、住宅の設計や性能評価を扱う事業者にご相談ください。