築年数の古い家に内窓は付けられる?窓枠の傷み・歪みと確認点

築年数の古い住宅は、窓の断熱性能が低いことが多く、内窓による変化を感じやすい住まいです。一方で、窓枠の傷みや歪みが取り付けの条件に関わってきます。この記事では、古い住まいで内窓を検討するときに確認しておきたい点を整理します。
古い窓ほど、変化は大きくなりやすい
日本サッシ協会は、樹脂製(または木製)の内窓を設置した二重窓の熱貫流率(Uw値。数値が小さいほど熱を通しにくい)の早見表を公表しています。
| 既存の窓(外窓) | 内窓なし | 樹脂内窓(複層ガラス) |
|---|---|---|
| 金属製サッシ+単板ガラス | 6.51 | 2.26 |
| 金属製サッシ+複層ガラス | 4.65 | 1.99 |
単位はW/㎡K。出典は日本サッシ協会「二重窓の熱貫流率について」(代表的な構造を抜粋した早見表)です。
古い住宅に多い「アルミサッシ+単板ガラス」は、表のなかでもっとも熱を通しやすい状態です。もともとの数値が大きいぶん、内窓を足したときの変化も大きくなります。すでに複層ガラスが入っている住まいと比べると、体感の差は出やすい条件といえます。
数値の読み方は窓の断熱性能の見方で解説しています。
可否を決めるのは築年数ではなく、窓枠の状態
LIXILは内窓インプラスについて、木製枠を含む標準的な窓枠に対応しており、「建物の構造による制限はなく、戸建住宅・マンション・アパート等すべてに取り付けできます」と説明しています。
そのうえで、窓枠の条件として厚み20mm以上・有効寸法40mm以上で、傷みや不安定さがなく、取付面に段差がないことが示されています(出典: LIXIL Q&A「内窓インプラスの取り付けについて知りたい」)。
つまり、築年数そのものが条件になるわけではありません。問われるのは、内窓を固定する窓枠が健全かどうかです。
古い住まいで確認しておきたいこと
窓枠の傷み
木製の窓枠は、長年の結露で下部が傷んでいることがあります。腐り、ささくれ、ぐらつきがある場合、そのままではねじが効かず固定できないことがあります。この場合は下地の補修が先に必要になり、その費用が別途かかります。
窓枠の歪み
建物の経年により、窓枠が長方形からわずかにずれていることがあります。上下・左右で寸法が違う場合、その差の大きさによって納まりが変わります。測り方は内窓のサイズは自分で測れる?をご覧ください。
和室の鴨居・敷居
和室の鴨居・敷居に取り付ける場合、溝が付いているところは埋木をしたうえで取り付ける必要があります。そのまま取り付けると枠が歪んだり波打ったりするとされています(出典は上記 LIXIL Q&A)。和室での納まりは和室に内窓は合う?で詳しく扱っています。
窓の種類と納まり
古い住宅では、現在の規格とは異なる窓や、窓枠のない納まりが見られることがあります。当社の取り扱いは引違い窓2枚建のため、まずは窓の写真をお送りいただくかお問い合わせください。取り付けの条件は内窓を取り付けられない窓とは?にまとめています。
すきま風はどうなるか
期待値の話として、お伝えしておきます。
内窓を設置すると、既存の窓の内側にもう1枚の窓が入るため、室内へ流れ込む空気は抑えられやすくなります。古いサッシで感じていた窓際の冷たい流れは、やわらぎやすい部分です。
ただし、既存の窓そのものが直るわけではありません。外窓の建て付けの悪さ、パッキンの劣化、鍵のかかりにくさといった不具合は残ります。外窓の状態を含めて直したい場合は、窓自体を交換する方法もあります。工法の違いは内窓・ペアガラス・外窓交換の違いをご覧ください。
また、内窓は結露を抑えやすくしますが、室内の湿度が高い場合などには結露が残ることがあります。すでに窓枠が傷んでいる住まいでは、湿気の管理もあわせてご検討ください(内窓で結露は防げる?)。
費用と制度
内窓リフォームネットの内窓は、引違い窓2枚建の通常仕様で45,200円〜(工事費・税込、2026年8月時点)です。窓枠の補修やふかし枠が必要な場合は、その費用が加わります。
補助金は、住宅の築年数ではなく工事の内容と使用する製品によって対象かどうかが決まります。詳細は2026年度の内窓の補助金をご覧のうえ、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。費用の内訳は内窓の設置費用はいくら?、商品と価格は商品一覧でご確認いただけます。
よくある質問
築40年・50年の家でも取り付けられますか
窓枠の条件を満たしていれば取り付けられます。判断の材料になるのは築年数ではなく、窓枠の厚み・有効寸法・傷みの有無です。実際の可否は無料の現場調査で確認しています。
窓枠が傷んでいる場合、補修もお願いできますか
傷みの程度によって対応が変わります。現場調査で状態を確認したうえで、必要な作業と費用をご案内します。写真をお送りいただければ、事前におおよその見通しをお伝えできる場合があります。
空き家や別荘にも取り付けられますか
窓枠の条件を満たしていれば、取り付けそのものは可能です。ただし補助金の要件は住まいの状況によって異なる場合があるため、制度を利用される場合は公式サイトの要件をご確認ください。
古い家では効果が出にくいのではありませんか
窓については逆で、断熱性能の低い窓ほど変化は大きくなりやすくなります。ただし壁・床・天井の断熱や、家全体のすき間の影響も受けるため、窓だけで住まい全体の寒さが解消するとは限りません。窓は熱の出入りが大きい場所であるため、優先して手を入れる価値がある、という位置づけです。
リフォームの予定があります。順番はどうすべきですか
内窓の工事は壁を壊さずに行えるため、他の工事とは独立して進められます。ただし窓枠や壁の造作に関わる工事を予定している場合は、その内容によって納まりが変わることがあります。時期が近い場合は、現場調査の際にお知らせください。