気密性能と内窓の関係

断熱の話でよく出てくるのが「気密」です。断熱材を入れても隙間があれば効かない、とよく言われます。この記事では、気密とは何か、内窓とどう関わるのかを整理します。
気密とは「隙間の少なさ」です
断熱が「熱の伝わりにくさ」であるのに対し、気密は「空気が出入りする隙間の少なさ」を指します。
この2つは別のものですが、切り離せない関係にあります。どれだけ断熱性の高い窓を入れても、隙間から空気が行き来していれば、そこから熱も移動します。逆に、隙間をふさいでもガラスが冷たければ窓面は冷えたままです(窓のすきま風の原因と直し方)。
内窓の効果は「空気の層」と「気密」の2つで成り立ちます
内窓を設置すると、既存の窓とのあいだに空気の層ができます。空気は熱を伝えにくいため、この層が断熱に働きます。
ただし、この空気の層が働くのは、層が閉じられているときだけです。窓と窓のあいだで空気が出入りしていれば、層としての意味が薄れます。新しいサッシが1枚加わって隙間が減ること自体も、内窓の効果の一部ということです。
これは、内窓が防音にも効く理由と共通しています。音も空気の隙間を通るため、気密が上がれば伝わりにくくなります(内窓の防音効果はどのくらい?)。
⚠ 鍵を掛けて初めて気密が働きます
実務でもっとも大切な点です。引違い窓は、鍵(クレセント)を掛けることで戸どうしが引き寄せられ、閉まりが確かになります。
閉めただけで施錠していないと、戸の合わせ目に隙間が残ります。「内窓を付けたのに変わらない」というご相談で、まず確認していただくのがこの点です(内窓を付けたのに効果を感じないとき)。
気密が上がると換気が要ります
気密には裏側があります。隙間が減るということは、意図しない空気の入れ替わりも減るということです。
- 湿気がこもりやすくなる — 換気が不足すると室内の湿度が上がり、結露の条件に近づきます(内窓で結露は防げる?)
- においがこもりやすくなる — 調理やペットのにおいを感じやすくなることがあります
- 24時間換気は止めない — 給気口をふさがないでください。内窓は給気口の働きを妨げません(内窓を付けたら網戸はどうなる?)
⚠ 「内窓を付けたら結露が増えた気がする」というご相談は、この換気とのバランスが関わっていることがあります。気密を上げたら、換気は意識して行うとお考えください。
住宅全体の気密と、窓の気密は別の話です
住宅の気密性能は、建物全体を対象とした指標(C値)で語られることがあります。❓ これは建物全体を測定して求めるもので、窓1か所の工事で数値がどう動くかを当社からお示しすることはできません。
また、住まいの隙間は窓だけではありません。玄関ドア、給気口、配管まわり、床下など経路は複数あります。⚠ 窓の対策をしても隙間風が残る場合、経路が別にある可能性があります。窓以外の断熱・気密は当社の取り扱い外のため、断熱リフォームを扱う事業者にご相談ください(断熱リフォームは窓から?)。
費用の目安
内窓リフォームネットの内窓は、引違い窓2枚建の通常仕様で45,200円〜(工事費・税込、2026年9月時点)です。古いアルミサッシは建て付けの緩みで隙間が生じていることもあり、内窓による変化を感じやすい条件にあたります(築年数の古い家に内窓は付けられる?)。商品は内窓の商品一覧をご覧ください。
よくある質問
気密が高すぎると体に悪いですか
健康に関することは医療機関にご相談ください。設備の面では、24時間換気を止めないこと、定期的に窓を開けることが基本になります。
隙間テープを貼れば内窓と同じですか
隙間はふさげますが、窓面の冷たさは変わりません。内窓は空気の層と気密の両方に働く点が違います(窓の寒さ対策を比較)。
気密が上がると窓が結露しやすくなりますか
窓面の温度は上がるため結露は起きにくくなりますが、室内の湿度がこもりやすくなる面はあります。換気とあわせてお考えください。
C値は内窓で改善しますか
❓ 建物全体の測定が必要な指標のため、当社では判断できません。数値の測定を希望される場合は、気密測定を行う事業者にご相談ください。