内窓は何年で元が取れる?回収年数の考え方と、金額に表れない変化

内窓は光熱費の削減につながりますが、「何年で元が取れるか」は住まいによって大きく変わります。この記事では、回収年数の考え方と、メーカーが公表している削減額の試算、そして回収が早くなる条件・遅くなる条件を整理します。金額に表れない変化についてもあわせて触れます。
結論:一律の年数は示せません
先にお伝えしておきます。「内窓は◯年で元が取れます」と一律に言うことはできません。
回収年数は、削減できる冷暖房費と、実際に支払う費用の両方で決まります。どちらも住まいの状況で変わるためです。
- 今の窓の状態(アルミサッシ+単板ガラスか、すでに複層ガラスか)
- 地域と気候
- 冷暖房をどのくらい使うか、在宅時間はどのくらいか
- 設置する窓の数とサイズ、選ぶ仕様
- 補助金を使えるかどうか
そのため、この記事では年数を断定するのではなく、ご自身の条件で見積もるための考え方をお伝えします。
回収年数の考え方
計算そのものは単純です。
- 実質の負担額を出す(工事費の合計 − 補助金など)
- 1年あたりの削減額を見積もる(月あたりの削減額 × 12)
- 1を2で割る
難しいのは2の見積もりです。ここは前提の置き方で結果が何倍にも変わるため、数字の出どころと条件を確認せずに使わないことが大切です。
公表されている削減額の試算
LIXILは、内窓インプラスの経済性について次のように説明しています。
家の中で熱の出入りが大きいのが窓です。窓の断熱性能がアップすると、住まい全体の断熱性能もアップ。毎月の暖冷房費が約1,880円節約でき、インプラスがお財布にもうれしい効果をもたらします。
出典:LIXIL「インプラス 6つのメリット」
この試算の条件は次のとおりです。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 地区 | 東京 |
| 住宅 | 2階建て・延べ床面積120.08㎡・4人家族 |
| 既存の断熱 | 昭和55年省エネ基準レベル |
| 内窓 | 9窓に設置 |
| 冷暖房 | エアコン(暖房20℃/冷房27℃・60%、間歇運転) |
| 電気料金単価 | 31円/kWh(税込み) |
同社は、住宅の大きさ・間取り・機器類・生活者人数・生活パターン・地域によって数値は異なるため、目安としてご利用くださいと注記しています。
ここで押さえておきたいのは、この試算が「9窓に設置した場合」であることです。1窓だけの設置に、そのまま当てはめることはできません。窓の数を絞れば初期費用は下がりますが、削減額も同じようには残りません。
窓から出入りする熱の割合など、削減の仕組みは内窓で電気代は下がる?で解説しています。
初期費用は補助金で下がる
回収年数を短くする要素として、削減額より効きやすいのが初期費用です。
先進的窓リノベ2026事業では、戸建住宅の場合、内窓1か所あたり22,000円〜140,000円が補助されます(性能グレードとサイズによる)。工事費のうち一定額が戻るため、実質の負担額が下がり、そのぶん回収年数は短くなります。
内窓リフォームネットの内窓は、引違い窓2枚建の通常仕様で45,200円〜(工事費・税込、2026年8月時点)です。窓のサイズやガラスの仕様によって金額は変わります。補助制度の詳細は2026年度の内窓の補助金をご覧ください。制度は変わることがあるため、最新の情報は必ず公式サイトでご確認ください。
工事費が一定額を超える場合は、所得税の控除や固定資産税の減額の対象になることもあります。内窓で使える減税は?もあわせてご確認ください。
回収が早くなる条件・遅くなる条件
| 早くなりやすい | 遅くなりやすい |
|---|---|
| 今の窓がアルミサッシ+単板ガラス | すでに複層ガラスが入っている |
| 冷暖房の使用量が多い(在宅時間が長い) | 日中は不在で冷暖房をあまり使わない |
| 面積の大きい窓に設置する | 小さな窓だけに設置する |
| 補助金を利用できる | 補助金の対象外・受付終了後 |
| 寒暖の差が大きい地域 | 温暖で冷暖房の稼働が短い地域 |
どの窓から設置するかで結果が変わるため、内窓はどの窓から付けるべき?もあわせてご覧ください。
金額に表れない変化もあわせて考える
回収年数だけで判断すると、見落とすものがあります。内窓を設置した方が挙げる変化には、光熱費以外のものが多く含まれます。
- 結露が減り、手入れの手間が減る — サッシまわりのカビ取りやカーテンの汚れに関わります
- 外からの音が小さくなる — 音の種類によって効き方は変わります
- 部屋の温度差がやわらぐ — 窓際の冷えや、脱衣所と居室の差に関わります
- 結露による建材の傷みを抑えられる — 木製の窓枠は水分で傷むことがあります
これらは金額に換算しにくいものです。光熱費の回収だけを判断材料にすると、内窓を設置する意味を過小に見積もることになります。逆に、光熱費の削減だけを目的にする場合は、期待値を控えめに置いたほうが結果に納得しやすくなります。
商品と価格は商品一覧、費用の内訳は内窓の設置費用はいくら?でご確認ください。
よくある質問
だいたい何年くらいという目安もありませんか
条件によって幅が大きいため、当社では年数を示していません。ご検討の際は、上の計算の考え方に、ご自身の光熱費と見積り金額を当てはめる方法をおすすめします。見積りの段階で、設置する窓と金額が具体的になります。
光熱費が下がったことは確認できますか
前年同月との比較がひとつの方法ですが、気温・電気料金の単価・生活の変化も影響するため、内窓だけの効果を取り出すことは難しくなります。単価が上がっている時期は、使用量(kWh)で比べるほうが変化を追いやすくなります。
回収前に引っ越す場合は損ですか
光熱費の回収という観点では期間が短くなります。ただし内窓は住まいの設備として残るものです。売却や賃貸に出す場合、断熱や結露の状態は住まいの条件のひとつになります。
電気代が上がると回収は早くなりますか
同じ使用量であれば、単価が上がるほど削減できる金額も大きくなります。ただし料金単価は変動するため、将来の年数を正確に見込むことはできません。
全部の窓に付けたほうが回収は早いですか
費用も削減額も増えるため、単純に早くなるとは言えません。ただし、同じ部屋に内窓のない窓が残っていると、そこから熱が出入りします。部屋単位でまとめるほうが、費用に対する体感は得やすくなります。