内窓に防犯効果はある?侵入抑止とCPマークの話

内窓のメリットとして「防犯」が挙げられることがあります。窓が2枚になり、鍵も2つになるためです。ただしこれは防犯性能の認定を受けた製品という意味ではありません。この記事では、内窓に期待できる防犯上の効果と、期待できない部分を分けて解説します。
メーカーは「侵入抑止効果」と表現している
LIXILは内窓インプラスのメリットとして「断熱効果」「結露軽減」「遮音効果」「UVカット」「侵入抑止効果」「経済性」の6つを挙げています(出典: LIXIL インプラス)。
使われている言葉は「侵入を防ぐ」ではなく「侵入抑止」です。ここに内窓の防犯上の位置づけが表れています。同シリーズの特徴はインプラス(LIXIL)で解説しています。
期待できるのは「手間と時間を増やすこと」
内窓を付けると、外から室内に入るには2枚の窓を突破する必要があります。鍵(クレセント)も2か所になります。
侵入を試みる側から見れば、作業の手数が増え、時間がかかり、音も出やすくなります。これが「侵入抑止」と表現される理由です。窓が1枚だけの状態と比べれば、防犯上の条件は改善します。
内窓は本来、断熱や結露、防音のために設置されるものです。防犯は主目的ではなく、付随して得られる効果と考えるのが実態に合っています。内窓そのものの仕組みは内窓(二重窓)とは?をご覧ください。
期待できないこと
防犯建物部品(CPマーク)ではない
ここは正確にお伝えしておく必要があります。LIXILは内窓インプラスについて「2重窓の2ロックで防犯効果はありますが、防犯建物部品(CPマーク)には対応していません」と明記しています(出典: LIXIL よくあるお問い合わせ)。
CPマークは、一定の試験に合格した防犯性能の高い建物部品に表示されるものです。内窓はその認定を受けた部品ではありません。防犯を第一の目的にするのであれば、内窓だけで対策が完結するとは考えないでください。
窓以外の経路には効かない
当然ですが、内窓が関与するのは設置した窓だけです。玄関やほかの窓、勝手口といった経路は変わりません。
鍵を掛けていなければ意味が薄れる
鍵が2か所になっても、掛けていなければ効果はありません。内窓を閉めていても施錠していない状態では、手数が増える度合いは小さくなります。日常の施錠の習慣とセットで初めて機能します。
防犯を重視するならガラス仕様もあわせて考える
窓の防犯を考えるうえでは、枚数や鍵の数だけでなくガラスの仕様も関わります。2枚のガラスの間に中間膜を挟んだ合わせガラスは、割れても破片が飛散しにくく、貫通させるのに手間がかかるとされています。
ただし、どのガラス仕様を選べるかは窓の状況や商品によって変わります。防犯を重視したい場合は、その旨をお伝えいただいたうえでご相談ください。ガラスの考え方は内窓のガラスの選び方で解説しています。
防犯を主目的とする場合は、内窓以外の手段(補助錠、防犯フィルム、センサーライト、防犯カメラなど)とあわせて検討することをおすすめします。当社ではこれらの防犯設備は取り扱っておりません。
窓の防犯で押さえておきたい考え方
「時間がかかる」ことが抑止になる
侵入を試みる側にとって、時間がかかることと目立つことは避けたい条件です。窓が2枚になれば、突破に要する手数と時間が増えます。内窓の「侵入抑止効果」は、この考え方にもとづくものです。
逆にいえば、時間をかけずに入れる経路が残っていれば、そちらが選ばれます。窓を1か所だけ強化しても、家全体の条件が変わるわけではないのはこのためです。
施錠の習慣が土台になる
どれだけ設備を足しても、鍵を掛けていなければ効果は限られます。短時間の外出や、2階の窓、浴室の窓なども含めて、施錠の習慣が土台になります。
内窓を付けると鍵が2か所になりますが、それは2か所とも掛けて初めて意味を持ちます。換気のあとに内窓だけ閉めて施錠を忘れる、ということが起きないよう、日常の動作として定着させてください。
内窓を選ぶ理由としての整理
| 目的 | 内窓の位置づけ |
|---|---|
| 断熱・結露・防音 | 主目的。効果が期待できる |
| 侵入抑止 | 付随的な効果。手間と時間を増やす |
| 認定された防犯性能 | 該当しない(CPマーク非対応) |
「断熱や結露の対策をしたい。あわせて窓の防犯面も少しでも良くなるなら」という順序であれば、内窓は選びやすい選択肢です。逆に「防犯対策として何かしたい」が出発点であれば、内窓は最適な手段とは限りません。
内窓で得られる効果の全体像は内窓の効果は本当にある?、注意点は内窓のデメリットをご覧ください。商品と価格は商品一覧でご確認いただけます。
よくある質問
内窓を付けると空き巣に入られにくくなりますか
窓が2枚になることで手間と時間が増えるため、条件は改善します。ただし侵入を防げると約束できるものではありません。メーカーの表現も「侵入抑止効果」です。
防犯フィルムと内窓はどちらが良いですか
目的が異なるため一概には比べられません。防犯だけを目的とするなら防犯に特化した対策のほうが目的に沿います。内窓は断熱・結露・防音を主目的とし、防犯面の改善は付随するものとお考えください。
1階の窓だけ内窓にすれば防犯になりますか
設置した窓については条件が改善しますが、ほかの窓や玄関は変わりません。なお1階は冷えを感じやすい場所でもあるため、断熱の観点から優先することには別の意味があります。
すりガラスや型ガラスにすれば目隠しになりますか
視線をさえぎる目的では有効な選択肢です。ただし外から室内が見えにくくなることと、侵入を防ぐこととは別の話です。またどのガラス仕様を選べるかは窓の状況や商品によって変わりますので、お問い合わせください。
賃貸やマンションでも設置できますか
賃貸は貸主の許可が、分譲マンションは管理組合の承認が必要になるのが原則です。詳しくは賃貸に内窓は付けられる?とマンションに内窓は付けられる?をご覧ください。